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【小説】住野よる 青くて痛くて脆い 感想 後半の勢いがすごい! 人間関係について考えさせられる

今日は住野よるさんの「青くて痛くて脆い」を紹介したいと思います。

本作は大学を舞台に「モアイ」という団体を中心に繰り広げられる物語です。

舞台が大学なだけあって就活やら団体活動やらと、かなり現代的な小説ですね。

わたしは大学には通ったことがありませんが、大学生特有の雰囲気ってありますよね。

それこそ「青いし痛いし脆い」時期。

それがこういう感じなのかなあと、本作を通して知ることができました。

あらすじ

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。
その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。
―それから3年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。
そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。
〜「BOOK」データベースより〜

見どころ・感想

前半はスローペースだが、後半の勢いがとにかくすごい!

主人公の田端楓はひょんなことから秋好寿乃と出会い、「モアイ」という団体(サークルのようなものかな?)を結成しました。

しかし最初は2人だけでしたが、徐々に人数が増えていき、やがて元々の「モアイ」の理想とは全く違う方向に向かってしまいました。

そのため、田端楓は本来あった「モアイ」に戻すために奔走します。

前半の流れはこんな感じです。すごい雑ですが。

下準備といいますか、前半は動きがあまり少ないです。

しかし、後半はその分かなり勢いがすごいんですよね。

まさに怒涛でした…思わず一気読みしちゃいましたよ。

あの時笑った秋好はもうこの世界にいないけど。

前半で、「モアイを結成した張本人である秋好がこの世にいない」
という描写が多く、「亡くなってしまったのかな…」と思っていましたが、

「この世にいない」ってそういうことだったんですね…

なるほどと思いました…
いやあ切ないですね…

人間関係って、実はこんなものなのではないか

人は人を、間に合わせに使う。
誰しもが、誰かを必要な何かとして間に合わせに使う。

物語の後半にこのような言葉がありますが、確かにその通りなのかなって思いました。

「あなたでなくてはいけない」存在って、そうそういないですよね。

結局のところ、人間関係というのは「あなたでなくてもいい」存在が大半です。

だからといってその関係を蔑ろにしても良いわけではありませんがね。

真理をつくような言葉だなあと感じました。

「正義」は人それぞれ違う

本作は「誰が正しくて、誰が間違っている」というような正解はないと思います。

確かに楓も秋好も賛否両論あると思いますが、
二人はそれぞれの思う「正義」を掲げて行動しています。

その二人だけでなく、他の登場人物も然りですが。

それぞれ立場が違うのですから、何が「正義」かも違ってきますよね。

登場人物ほぼ全員がそのような描写があるのはすごいなあと思いました。

終わりに

本作はノンフィクション並に人間臭い描写が多く、色々と考えさせられる内容でした。

あと、なんと映画もやるみたいですね!

2020年8月28日上映だそうです!

いやあ気になりますねー見てみたい!

上映はもう少し先なので、是非気になる方は映画を見る前に小説を読んでみてください!