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【小説】恩田陸 蜜蜂と遠雷(下) 感想 風間塵による最高のギフト コンクールの優勝者は…!

今日は恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷(下)」を紹介していきたいと思います。

いやーついに読み終わってしまいました…

上巻は第二次予選の途中まででしたが、かなり白熱した演奏を繰り広げていました。
しかし、下巻ではさらに演奏の勢いが増していましたね。

途中「え、まさか!?」と驚くべき場面もちらほらありましたけど…

そして、本選の結果はどうなったのか…

あらすじ

2次予選での課題曲「春と修羅」
この現代曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの分かれ道だった。
マサルの演奏は素晴らしかった。
が、明石は自分の「春と修羅」に自信を持ち、勝算を感じていた…。
12人が残る3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進むのは誰か。そして優勝を手にするのは―。
〜「BOOK」データベースより〜

見どころ・感想

風間塵という「ギフト」

とにかく風間塵の演奏の影響力がすごいんですよね。

風間塵がいるからこそ、他の出演者も二次予選より三次予選、三次予選より本選の演奏がより洗練されていきます。

後半に至っては、
もはや演奏というより「物語」や「対話」の領域になっています。

そう、これは音符で書かれた壮大な物語なのだ。
この物語には、華麗な登場人物がフル出演だ。
気の強い美女や、深謀遠慮に長けた叔母など、個性あふれるメンバーには事欠かない。

 

特に栄伝亜夜が本当の意味で「舞台に帰ってきた」のは紛れもなく彼のおかげですよね。

『あなたが弾くのを見ていると、歌いたくなる。
あたしは二度のあなたのステージのおかげで舞台に立てたの。
あなたの演奏がなかったら、弾いていなかったかもしれない。』

 

ホフマンが言っていた「贈り物」の意味、こういうことだったんですね。
全く予想ができませんでした…

コンクールの優勝者は…

そして本選の結果なのですが…

いやあこれは驚きましたね。
驚きましたが、まあ納得の結果なのかな、と思いました。

というより正直誰が優勝してもおかしくないくらいだったので、どうなろうと納得はしたと思います。

また高島明石なのですが、個人的に好きな人物だったので最終的に救われる結果になってよかったです…
彼の音楽人生もまだ続くような描写もあるので、今後の活躍にも期待ができそうですね。

このコンクールは始まりだ。
今ようやく、俺は、自分の音楽を、音楽かとしての人生を始めたところなのだ。

終わりに

堂々の完結ということで、本当に読んでて満足することができました。

演奏の描写が秀逸なんですよね、だからピアノに詳しくないわたしでもその世界観にすっかりハマることができました。

1つのコンクールの始まりから終わりまで、という単純な舞台でこんなにもドラマがあるなんて、やはり見てよかったです。

その分風間塵や高島明石など、その後についてとても気になりますね。

と思っていたら…

スピンオフ出てたんですね!!

こうなれば見るしかありませんね!

まだまだ「蜜蜂と遠雷」の世界観を堪能できるのは幸せですね…

また見終わったら感想を述べていきたいと思います!