今回はデイビッド・ロックさんの「最高の脳で働く方法」を紹介したいと思います。
✔色々な仕事に追われて混乱する…
✔作業の効率が悪くて悩んでる…
✔なかなか集中できない…
「最高の脳で働く方法」では2人の主人公が登場し、交互にストーリーが進みます。
職場や家の中で起きる問題に対して脳の機能をうまく使い、効率よく解決していきます。
本書の最大の特徴として、ストーリーごとのBefore/Afterがあるということです。
・Before:問題に対して、脳の機能を活用していない状態で対応している
・After:問題に対して、脳の機能を活かしながら解決している
これで脳の機能を活かしたとき・活かさないときの違いを見比べることができるんです。
✔Before/Afterで脳機能がわかりやすく解説されている
✔14個のシーンを解説されているため、様々な場面で応用がきく
✔シーンの終わりにまとめがあるため復習しやすい
わたしも普段脳の機能を考えることがなかったので、本書を通して効率の良い方法を意識するようになりました。
この分野はニガテな人もいると思いますが、Before/Afterの違いだったり、まとめでわかりやすく解説しているので、頭に入りやすいんです。
これからわたしが参考になった4つのコツを要約して解説したいと思います。
まとめ
早速まとめです。
今回おさえておきたいポイントはこの4つです。
①1日の思考量は限られている
②マルチタスクはあなたを小学生にする
③集中できない理由は「外部」と「あなた」
④適度なストレスは最高の原動力
要約紹介
①1日の思考量には限りがある

わたしたちは今この瞬間でもなにかを考え、判断をしています。
実はそれだけで脳は大量のエネルギーを消費しているんです。
よく眠れた朝、頭がスッキリしていますよね?
しかし夜になったらどうでしょう、仕事などで疲れがたまっているはずです。
それは体の疲れだけでなく、脳も疲れてパフォーマンスが低下している証拠なんです。
疲れて眠くなっちゃうし…
わたしたちの脳は電池と同じで、1日の思考量には限りがあるんです。
しかも思考量が多くなるにつれパフォーマンスは下がり続けます。
なので、あなたが効率よく作業を行う時は優先順位を決めて取り組む必要があります。
なにか複数の作業を取り組むときはこの3つに分けてみましょう。
後回しでも良いことを最初に行ってしまうと思考のムダ使いです。
なので、朝の頭がスッキリしている時間に重要なことから取り組むことで、効率よく作業を進めることができるんです。
②マルチタスクは脳の機能が大幅に低下する

科学者のハロルド・パシュラーは、人が一度に2つの認知課題に取り組むと、ハーバードのMBA取得者でも認知能力が8歳児並みに低下することを明らかにした。
(引用文)
「なにかに集中しているとき、人の話を聞き逃してしまった」
こんな経験をしたことはありませんか?
考えごとをするとき、基本的に脳は1つのことしか集中することができません。
引用文のとおり物事を2つ考えると、あなたは小学1・2年の知能になってしまうんです。
それほどマルチタスクというのは脳への負担が大きいということです。
なので、作業をするときはシングルタスクで行うべきです。
その方法として、もう一つのタスクは「体で覚える作業」にするということです。
たとえばあなたが車を運転するとき、「アクセルはこのくらいで…ハンドルはこれくらいで…」って考えながら操作していますか?
初心者ならありえますが、慣れればそんなことは考えませんよね?
普段は別のことを考えながら運転をしているはずです。
これがマルチタスクが可能な例なんです。
運転は体で覚えているので、脳への負担があまりありません。
だから他のことを考える余裕が生まれるということです。
③注意散漫な原因は2つある

あなたはなにか作業に取り組むとき、どのくらい集中できていますか?
ディストラクションの重大な問題点は、それが内的であろうと外的であろうと、集中を大きく妨げることにある。
(引用文)※ディストラクション:注意がそれる原因ということ
「最高の脳で働く方法」では、注意を2種類に分類しています。
1.外的要因
2.内的要因
この2つの要因の特徴と対処法をそれぞれ紹介します。
1.外的要因
外的要因とは、外部の刺激が原因ということです。
わたしたちもこのような外部の刺激で集中が切れることってよくありますよね?
ある研究によれば、職場のディストラクションによって一日当たり平均2・1時間が奪われているという。
(引用文)
この外的要因の対処法はシンプルです。
それは「遮断」すればいいんです。
外的要因は物理的に対処することができるので、もし外部の影響で集中できないときはこのような工夫を行ってみましょう。
2.内的要因
内的要因とは、自分自身に原因があります。
つまり、無意識に別のことを考えてしまうことです。
↓
↓
このように、思考が切り替わってしまい集中できないパターンですね。
ある研究によると、人が一つのことを集中して考える時間は、平均してわずか10秒であり、すぐに別のことに思考が移ってしまうという。
(引用文)
内的要因の対処法は、外部要因とちがいコツが必要です。
(1) 「あ、いま別のことを考えてたな」と気づくこと
(2) 別のことを考え始める前に思考を修正すること
まずは別の思考になっていると自覚すること、そしてすぐに修正することが重要です。
この「気づき」と「修正」は慣れるのに時間がかかると思いますが、少しずつ意識して試してみましょう。
この2つの要因を排除すれば、注意がそれることなく作業に取り組むことができます。
ある思考への集中を維持できるかどうかは、いかに集中するかではなく、いかに不適切なことに注意が向くのを抑えられるかにかかっている。
(引用文)
④適度なストレスをもつ

ヤーキーズとドットソンは、ストレスレベルが低いとパフォーマンスが低く、適度なストレスレベルになると最高のパフォーマンス(スイートスポット)に達し、ストレスレベルがさらに高まるとパフォーマンスが次第に低下することを突き止めた。
(引用文)
ストレスを抱えるというのは必ずしも悪いわけではありません。
それが適度なストレスなら、あなたのパフォーマンスを高めることができるんです。
「最高の脳で働く方法」では、パフォーマンスとストレスの関係を逆U字のグラフで表しています。

実はストレスが高すぎたり、少なすぎたりしてもパフォーマンスは落ちてしまうんです。
ここでは適度なストレスをもって、パフォーマンスを上げる方法を紹介します。
1.緊張感をもつ
作業をするときって、家より外で取り組んだほうが集中しやすいですよね?
その理由として、家だと緊張感をもつことができないからです。
これはストレスが低い状態であるといえます。
カフェや図書館で作業をすることでストレスが高まり、緊張感をもつことができます。
だから、家より外で作業をしたほうがパフォーマンスが上がりやすいんです。
家で集中できない人はぜひ外へ出て作業をしてみてください。
2.興味・期待をもつ
他にも、その作業に興味や期待をもつということも大切です。
なにも考えずに作業を淡々と行うのはパフォーマンスを低下させる原因にもなります。
このようなポジティブな思考をもつとモチベーションの維持にもつながりますよね。
おさらい
あらためておさらいです。
①1日の思考量は限られている
②マルチタスクはあなたを小学生にする
③集中できない理由は「外部」と「あなた」
④適度なストレスは最高の原動力
おわりに
わたしたちは意外と効率の悪いことをたくさんしているかもしれません。
そのときはこの4つのことを意識してみてください。
きっと作業効率が大きく変わりますよ。
「最高の脳で働く方法」では、他にもたくさんの脳の機能を詳しく解説しているので、気になる方はぜひ読んでみてください!